2022.05.30
イベント
令和4年第1回MaOIセミナー開催のご案内
令和4年度第1回MaOIセミナーを令和4年(2022年)6月28日(火)14時00分~17時00分にハイブリッド型で開催します。
本年度最初のセミナーは「水産業におけるイノベーション~持続可能な水産業に資する研究開発の現状と先進的な取組事例~」をテーマに開催し、基調講演には、研究開発法人 水産研究・教育機構 理事長の中山一郎先生、事例発表講演には、IMTエンジニアリング株式会社 技術研究所 所長の野原節雄氏をお迎えいたします。
本セミナーに、先着50名様まで会場にご招待いたします。また、会場参加者の方には、セミナー終了後に意見交換会の場を設けました。参加費は無料。皆様、是非ご参加ください!
開催スケジュール
令和4年6月28日(火) 14時00分~17時00分終了予定
会場受付 13:30~14:00
開会挨拶 14:00~14:05
基調講演 14:05~15:05 水産研究・教育機構 理事長 中山 一郎先生
休憩 15:05~15:15
事例講演 15:15~16:05 IMTエンジニアリング(株)技術研究所 所長 野原 節雄氏
閉会挨拶 16:05~16:10 ※オンライン配信終了
意見交換 16:10~16:45 ※会場参加者のみ
完全退館 17:00
開催方法
ハイブリッド型
会場参加50名 + オンライン配信(お申込みされた方全員)
会場情報
ホテルグランヒルズ静岡 4階「クリスタル」
静岡市駿河区南町18-1
申込み
セミナー参加をご希望の方は、以下のお申込みフォームからご登録ください。
オンライン参加をご希望の方には、開催日までにアクセス用アドレスをご案内します。
参加申込みは、6月22日(水)まで
基調講演
【講演タイトル】
水産研究最前線 水産国日本を復活させるにはどうしたら良いか
~水研機構の研究開発の現状を中心に~
国立研究開発法人 水産研究・教育機構 理事長 中山 一郎氏
【講演要旨】
我が国の水産情勢は、漁獲と漁業者の減少傾向は続き、非常に厳しい状況となっています。
一方、世界を見れば、水産業は成長産業となっており、水産物の需要もさらに高まっており、養殖業をコアとして生産量も急速に上がっています。
しかし、世界規模の海洋環境の変化、長引くコロナ禍、そして円安、インフレによる国内の消費の停滞、買い負けやロシアのウクライナ侵攻影響等による輸入の減少等、ここ数年で日本の水産業を取り巻く環境は大きく変わってきています。
そのような中、国民の食料の安定供給は最重要課題であります。
我が国の水産業を、安定的、持続的に発展させるために、政府は2018年12月に、水産資源の適切な管理と、水産業の成長産業化を両立させる水産政策の改革を進めるため、70年ぶりに漁業法を改正しました。この水産政策改革の中で、水産資源の適切な管理を実現するための「資源評価」が主要な柱の一つとなっています。また養殖業成長産業化総合戦略も策定されました。さらに、将来にわたって食料の安定供給を図り、持続可能な食料システムを構築するため、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」が策定されました。この中でも、「新たな資源管理の推進に向けたロードマップ」に沿った水産資源の適切な管理、養殖業の持続的な発展が謳われております。本年に入ってから、水産基本計画も策定され、具体的な政策方向も示されました。
水産研究・教育機構は、本年創立125周年を迎え、世界的にもまれな総合的水産研究・開発機関として、これらの国の方策に沿って、水産国日本の復活に向けた研究開発活動を全力で展開しているところです。
昨年7月に産業研究機関として水産業に関わる技術開発研究の中心的役割を果たしイノベーションを起こして水産改革実現の一翼を担うために、これまでの9研究所で構成していた研究開発部門を「水産資源研究所」と「水産技術研究所」に再編し、その2研究分野に加えて開発調査センターを中心とする社会実装・企業化分野、水産 大学校を中心とする人材育成分野の4本を柱として研究開発を戦略的に取り組むこととしました。昨年より、第5期の中長期計画も始まり、新体制での活動を始めたところです。当機構の研究開発の展開、展望を中心に、新しい養殖業振興に向けた研究等の今後の水産研究開発の方向性についてトピックの紹介と合わせて解説いたします。
【略歴】
学 歴
1984年3月 北海道大学水産学部水産増殖学科卒業 水産学士
1987年3月 北海道大学大学院環境科学研究科社会環境学専攻修士課程
(環境医学)修了 学術修士
1991年12月 パリ第六大学 (ピエール・エ・マリー キューリー大学)
博士号取得 (Docteur de l’Universite Paris VI)
職 歴
1994年4月 水産庁 選考採用 水産庁養殖研究所 遺伝育種部
1998年10月 水産庁 養殖研究所 企画連絡室 研究交流科長
2001年1月 内閣府 政策統括官付参事官補佐 (総合科学技術会議事務局)
2003年4月 (独)水産総合研究研センター 中央水産研究所 水産遺伝子解析センター長
2006年4月 (独)水産総合研究研センター 本部 チーフ研究開発コーディネーター
2008年4月 (独)水産総合研究研センター 水産工学研究所 水産土木工学部長
2010年4月 (独)水産総合研究研センター 中央水産研究所 業務推進部長
2011年4月 水産庁 増殖推進部 参事官
農林水産省 農林水産技術会議事務局 研究調整官併任
2013年4月 (独) 水産総合研究センター 本部 研究推進部長
2014年4月 (独) 水産総合研究センター 東北区水産研究所長
2015年4月 国立研究開発法人 水産総合研究センター 中央水産研究所長
2016年4月 名称変更 国立研究開発法人水産研究・教育機構 中央水産研究所長
2018年3月 中央水産研究所長 定年退職
2018年4月 日本水産株式会社 中央研究所 養殖R&Dアドバイザー
2021年4月 国立研究開発法人 水産研究・教育機構 理事長
現在に至る
事例発表講演
【講演タイトル】
バナメイエビの陸上養殖技術
IMTエンジニアリング株式会社 技術研究所 所長 野原 節雄氏
【講演要旨】
日本へ毎年22万トン以上輸入されているエビは、東南アジア諸国で深刻な環境問題(餌の食べ残しや排泄物による海洋汚染、マングローブ林の伐採など)を引き起こしている。また、2012年ベトナム、中国で発生した新たな疾病(EMS)の蔓延により、その生産量は減少し、不安定な産業となりつつある。その為、環境への影響を最小化し、安全で持続可能な養殖エビを生産できる実用レベルの技術開発を産官コンソーシアムで進めて来た。テーマは4つあり、①生理学的研究によるバナメイ淡水養殖技術の確立、②エビのストレス評価・低減技術の開発、③高密度循環式エビ生産プラントの開発、④水質を悪化させない低価格餌料の開発である。この研究成果に基づき2007年から稼働している、新潟県の実証プラント、及び現在進行中の商業プラント建設について紹介する。
【略歴】
大手建設会社設計部を経て、長年陸上養殖システムの開発に従事。2009年産学官連携推進功労者として農林水産大臣賞を受ける。陸上養殖勉強会幹事。(一社ISPS推進協議会顧問)
エビの陸上養殖施設を国内、海外にて展開中。また水産庁の委託研究による海水魚の陸上養殖研究にも取り組んでいる。
テレビ東京「ガイヤの夜明け」や、日本テレビ「満点青空レストラン」、「すごいですね視察団」でも活動を紹介される。
その他
*本セミナーは新型コロナ感染症対策を実施して行います。会場参加者にはマスクの着用、検温、手・指の消毒をお願いします。
*会場参加者の方で37℃以上の発熱のある方、体調の優れない方のご参加はお断りします。
*新型コロナ感染状況によってオンラインのみの開催となる可能性がございます。
*セミナー講演時の録音・録画・スクリーンショット等は固くお断りいたします。
*オンラインで参加される方の通信料に関する費用はご自身での負担となります。
*オンライン配信のリンクを第三者、またはSNSで共有しないでください。