第25回マリンバイオテクノロジー学会大会にてシンポジウムを主催しました。
第25回マリンバイオテクノロジー学会大会が2025年5月24日(土)、25日(日)に広島県呉市ビューポートくれで開催されました。一般財団法人マリンオープンイノベーション機構(MaOI機構)は同大会においてシンポジウム「⼤型藻類の⽣態学 藻場再⽣の現状と今後求められる技術について」を主催しました。
大型藻類には、コンブやワカメ、サガラメなどが含まれますが、それらが形成する「藻場」は、魚や貝の良い漁場となっており、また、大型藻類の二酸化炭素吸収能力の高さから、ブルーカーボンとしても注目されています。近年、気候変動の影響や食害により、藻場が消失する「磯焼け」が全国で問題となっています。今回のシンポジウムでは、磯焼けをテーマとした映画「ここにいる、⽣きている ~消えゆく海藻の森に導かれて~」(長谷川友美監督)を上映し、その後、3名の学術研究者と2名の企業研究者から、基礎研究から実証実験まで幅広い内容の講演がありました。映画を通して磯焼けの現状や課題を広く認識していただくことや研究成果を磯焼けに対する解決策へ結びつけていくことが期待されます。

MaOI機構では、かつて静岡県相良地方で広大な藻場を形成し、現在、県内では絶滅してしまったサガラメ(地名に由来し「相良布」とも書きます)の再生を目指し、静岡県水産・海洋技術研究所と共同でサガラメの生理・生態にについての研究を推進しています。また、MaOI機構が事務局を務める美しく豊かな静岡の海を未来につなぐ会では、藻場の再生・保全活動に取り組んでいます。藻場再生を目指したMaOI機構の取り組みに注目し、是非ともその進展を見守っていただければ幸いです。