2021/12/09
清水港ROV実証実験体制構築支援

清水港におけるROV(水中ドローン)実証フィールド拠点構築に向けてその体制形成のための行政機関や経済団体との調整、事業計画策定支援を実施。ROV開発事業者の課題解決に向けた支援に加え、地元企業参画を通じた体制構築と事業遂行支援によって地域の新たなビジネスモデルの模索と地域経済産業の活性化にも貢献したもの。


港湾施設は海洋・港湾構造物維持管理士や潜水士などへ業務委託を通じて定期的な施設点検が実施されているが、施設の老朽化の進行から従来の定期的点検では安全性を確証し難い箇所や作業が増加傾向にある。その一方で、港湾施設の安全性を確保する上で不可欠な点検業務を担う担う事業者は限られ且つ高齢化や承継者不足も我が国全体の社会的課題となっている。ROVは港湾施設の点検業務について一部代替することや危険度の高い箇所の点検業務を担うことについて期待が高まっている。しかしROVの開発は限られた環境下で行われることが多く、結果的に港湾や海上など現地の環境下でROVを稼働させて初めて必要機能や技術課題が認識されるため開発者としても効率面やコスト面も含めた開発過程に課題を抱えていた。当機構ではこれらの課題に対し、清水港を実証フィールドとして利活用することを提案し、地元行政機関や経済団体・地元企業と連携した上でのROV開発体制構築を提案。

また、ROVについてはユーザー単独での機器保有した場合、導入から保守管理まで多大なコストを要し投資回収の面でも課題が挙げられている。地元経済団体の静岡商工会議所ではROVの必要性と利活用について地元企業が役割分担しながら連携して保有し、地元企業の得意分野を活かしてROVそのものや周辺機器も行うことができる体制(ローカルシェアモデル)の構築を図り地域一体となったROV導入と開発拠点形成を通じた経済産業振興も構想していたことから、当機構においてその構想の具体化と実現に向けて支援しているもの。本件ローカルシェアモデルについては、その導入として令和3年度国土交通省「海の次世代モビリティの利活用に関する実証事業」採択され、当機構ではその事業計画策定と連携機関との参画調整を支援。

地域に新たなビジネスの創出と産官学連携でROVの技術開発に取り組める体制構築形成の後押しを通じ、地域経済の活性化に引き続き貢献しているもの。