2022/07/28

第22回バイオテクノロジー学会 シンポジウム
〜DX革命とマリンバイオテクノロジーの将来〜 


音響は、例えば魚群探知機のように古くから海洋産業で利用されてきた技術ではありますが、近年は水温や流速の測定、3Dマルチビームソナーを利用した海底地形計測、さらには水中ドローンを遠隔で操作するための情報通信とその応用の範囲は広がっております。

赤松先生がご研究されているのは海洋生物の音響リモートセンシング。 水中の音響データを集めることで、その周辺にいる生物種を種特有の音から推定できる技術だそうです。赤松先生のご説明では音響データは、データそのものの取得は簡単で、一定時間連続してのデータ収集も可能。しかも音響データは複数のセンサーを配置することで音源の位置を推定できるほか、データ転送システムを組み合わせればリアルタイムでの計測も可能であるということでした。

赤松先生がご紹介された房総半島沿岸での先行事例では、20観測定点を設けて音響リモートセンシングを実施。データ解析結果ではシログチ、スナメリ、テッポウエビの個体密度が広範囲に示されておりました。音響リモートセンシングが対象生物の個体密度を検知できる範囲は20km x 20km 以上の広さに及ぶということであり、先生の試算によればセンサー1つで清水の三保の松原から西伊豆までセンシングが可能とのこと。

また、駿河湾を往来する船舶にソナーを装着しただけで湾全体をセンシングできるという先生の試算なども紹介され、海のDXがこの分野でも急速に発展することを端的に示されました。

文 齋藤禎一 MaOI機構上席主幹研究員